役立ち情報コラム

2024.6.5

コンテンツマーケティングとは?意味やSEOとの違い、方法を詳しく説明

コンテンツマーケティングは、Webサイトやメール、SNSなどを通じてユーザーにコンテンツを提供するマーケティング施策です。
企業規模によらず始めやすいため、業界を問わず取り組む企業が増えています。
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その一方で、コンテンツマーケティングは必ずしもうまくいくわけではありません。
今回はコンテンツマーケティングの基本的な知識についてご説明することで、成果を上げるためのヒントを理解していただければ幸いです。

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(主に記事、他画像や動画など)を活用したマーケティング施策です。コンテンツマーケティングの概要、種類とSEOとの関係についてご説明します。

コンテンツ=ユーザーに有益な情報

コンテンツマーケティングに用いられるコンテンツは、ユーザーにとって有益な情報を含んでいる必要があります。

コンテンツを通じてユーザーに興味を持ってもらい、ユーザーの購買意欲を育成し、購買後にはファンとして継続的に購買してもらうことを目指します。ユーザーに有益な情報と価値を提供し続けることが求められます。

コンテンツの種類

ユーザーに価値を提供するコンテンツの種類として、以下が考えられます。

  • ・ブログ記事
  • ・事例記事
  • ・ホワイトペーパー
  • ・LP(ランディングページ)
  • ・資料/テンプレート
  • ・動画
  • ・メルマガ

業界や商材などによっては、オフラインイベントやセミナーなどもコンテンツとして捉えることもできるでしょう。形態にこだわるより、「何がユーザーにとって最も価値を感じられるか」「どうやって価値をユーザーに届けられるか」といった観点からコンテンツの種類を検討するとよいでしょう。

コンテンツマーケティングとSEOの違い

SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字をとった略語で、「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。検索結果上位に自社サイトを表示させ、検索ユーザーの流入を目指した施策です。

コンテンツの作成はSEOにとって重要ですが、HTMLの最適な(内部施策)などSEO施策はコンテンツ作成にとどまりません。またコンテンツマーケティングは集客フェーズにとどまらず、集客した後の見込み客(リード)の育成、購買後の既存顧客のファン化やアップセル・クロスセルにも適用されます。

その意味で、コンテンツマーケティングとSEOは一部重複するものの、主にターゲットとする領域や施策の幅において違いがあると言えます。

コンテンツマーケティングのメリット

コンテンツマーケティングのメリットの画像

コンテンツマーケティングには、他のマーケティング施策とは異なるメリットがいくつかあります。ここでは、3つの観点からメリットをお伝えします。

コンテンツを資産として活用できる

作成されたコンテンツの価値は、短期で失われるものではありません。コンテンツは会社の資産として長く活用でき、集客や顧客のファン化などに貢献してくれます。

たとえばWebサイトに作成した記事ページは、ユーザーの検索ニーズが大きく変わらない限り集客チャネルとして機能し続けます。営業資料やセミナー用資料に転用することも、場合によっては可能です。

このように、作成したコンテンツを会社の資産として広く活用できるのは大きなメリットです。

幅広いユーザーにリーチできる

コンテンツマーケティングはインターネットを利用した施策ですので、地域の制約がありません。資本力のない中小企業であっても、日本全国をターゲットとしたビジネスを展開できます。

実行開始のハードルは低い

コンテンツマーケティングに必要な初期費用は少なく、始めやすいと考えられます。サーバーやドメイン取得、Webサイトの開発費用や外注費用さえ投入すれば、コンテンツマーケティングを開始する準備を整えられます。

コンテンツを作成する際の「ネタ」も、普段の営業活動やプロダクトサポート活動などから得ることができます。大規模なアンケートやクリエイティブ作成などの準備がなくても、スモールスタートしやすいのがコンテンツマーケティングの特徴です。

コンテンツマーケティングのデメリット

コンテンツマーケティングを始めるのは容易ですが、本当に成果を出そうと思うのであれば覚悟や我慢が求められる場面も多くあります。デメリットについて認識しておくことが重要です。

コンテンツの制作に苦労する

コンテンツの作成を計画するのは難しくありませんが、継続的に多くの本数を作成することは予想以上に大変なことです。他に業務を抱える中で、ネタ出しや構成案づくり、コンテンツ作成とレビュー、アップやその後の管理をやり続けるには体制づくりやリソースのやりくりが求められます。

強いモチベーションがない状態でコンテンツマーケティングを開始すると、継続的なコンテンツの制作に耐えられず途中で止めてしまうケースは少なくありません。

コンテンツの管理と露出に苦労する

特にSEO目的でコンテンツを制作する場合、ただ作ってWebサイトにアップしただけでは流入が伸びません。「こんなはずではなかった」と戸惑う企業は多いものです。

SEOには内部施策や外部施策など、コンテンツ制作以外の施策も存在します。こうした施策も並行で進めることで、少しずつ検索順位を上げていくことができます。検索ユーザーに多く読まれるコンテンツにするためには、SEO施策を幅広く進めなければなりません。


また、一度コンテンツを作っただけでよいわけでもありません。場合によっては、時間の経過とともに中身が古くなることもあります。検索上位を取れても、少しずつ順位が低下していくこともあります。そのためコンテンツのリライトや修正を定期的に加えることが求められるのです。

このように、コンテンツ制作後の露出と管理が行き届かずに失敗するケースも多々あります。

短期的に成果を出すのは難しい

コンテンツマーケティングは、数日や数ヵ月ですぐに成果を実感できる施策ではありません。数ヵ月から年単位で顧客との関係性を構築・改善させるための施策です。SEOの観点から見ても、コンテンツをアップしてGoogleの検索エンジンがそれを認識し、検索結果上位表示に至るまで数ヵ月かかります。


メルマガやSNSなどを通じて顧客との関係性を向上させファン化させると言っても、こうした態度変容が短期で発生することも考えにくいでしょう。成果が出ない期間を「このまま続けていれば芽が出る」と信じて施策継続するという判断は、企業内のコンテンツマーケティングに対する理解の度合いによってはなかなか難しいのではないでしょうか。

コンテンツマーケティングの方法

コンテンツマーケティングの画像

メリット・デメリットを踏まえると、コンテンツマーケティングを成功させるためには自社の課題を明確にし、作業手順と体制を整えたうえで開始に踏み切るのが理想です。ここでは、コンテンツマーケティングの作業手順を7ステップに分けてご説明します。

現状の事業課題・マーケティング課題を把握する

いきなりコンテンツの作成を開始するのではなく、現状の課題と目標の設定を先に行いましょう。特に現状の事業課題やマーケティング課題を整理し、コンテンツマーケティングによって解決できる課題なのか吟味が必要です。

コンテンツマーケティングは集客から見込み客の育成、既存顧客のアップセル・クロスセルやカスタマーサポートなどに至るまで、幅広いフェーズを対象としています。どんな課題を解決したいのかによって作成するべきコンテンツの種類も変わってきますから、課題の特定と絞り込みを先に行いましょう。

目標を設定する

課題を特定したら、これを解決した先にある目標を検討します。「集客150%アップ」「既存顧客の再購入率20%アップ」など、課題と対になる形で目標を言語化できるはずです。

ペルソナとカスタマージャーニーを作成する

ペルソナとは、マーケティング施策のターゲットとなるような概念上の人物像を指します。単に「30代男性」とするだけでなく、どんな職業でどんなプライベートを過ごしており、どんな悩みを抱えているか……など、具体的に属性を作り上げるのです。

またカスタマージャーニーとは、見込み顧客が商材を認知してから、購買、その後の再購入やレビューなどに至るまでの各フェーズにおける感情や企業との接触点(コミュニケーションチャネル)、体験などを書き込んだプロセス図ないし表のことです。

ペルソナとカスタマージャーニーを作り込むことで、施策担当者の顧客理解が飛躍的に進みます。作り込みの際には実際の見込み客や既存顧客へインタビューし、実像と作っているものが乖離していないことを確かめることが重要です。

購買プロセスごとのKPIを設定する

カスタマージャーニーで定義されたプロセスごとに、KPIを設定するのが望ましいです。たとえば最終目標が「1年後にコンテンツ経由の申込数30%アップ」だとしたら、KPIとしてサイト流入数や資料請求数などを置くのが一般的です。

購買プロセスごとに必要なコンテンツを検討する

各プロセスで必要なコンテンツの内容や種類は異なるはずです。集客(認知)段階であればブログ記事、育成段階では事例記事やメルマガ、ファン化段階ではイベントなど、プロセスごとに提供できるコンテンツを検討しましょう。

コンテンツを設計・作成する

プロセスごとに必要なコンテンツの内容・種類を決めたら、次はもう少し細かくコンテンツの内容を設計し作成に着手します。

たとえばブログ記事であれば、テーマとキーワード、タイトル、構成案を決めるのが設計に当たり、文章執筆が作成に当たります。自社が提供したい情報を書き出すとともに、キーワードで検索した際に上位表示される競合サイトの記事を参考にすることで、コンテンツに盛り込むべき情報を洗い出します。

その後情報を整理して構成案を作成し、なるべく専門用語を抑えて分かりやすく記事を執筆します。

コンテンツマーケティングの効果を測定する

コンテンツマーケティングでは、ツールを活用することで効果を測定し改善策につなげやすくなっています。サイト流入数や用いられている検索キーワード、あるいは既存顧客の再購入率などを測定することが重要です。

有料のツールもたくさんありますが、無料で導入可能なツールも存在します。次の見出しで、そうした必須ツールについていくつかご紹介します。

コンテンツマーケティングに役立つツールと役割

コンテンツマーケティングを続けるうえで、ほとんど必要不可欠と言ってよいほど重要なツールがあります。効果を測定し運用を容易にするために、以下の4つは導入するようにしましょう。

Google Analytics

Google Analyticsは、Googleによって無料で提供されている解析ツールです。Googleの検索エンジンから流入してきたユーザーのデータを中心に、Webサイトでのアクセス・離脱・コンバージョンなどの行動を把握できるようになっています。

どのページがどの程度流入やコンバージョンに貢献しているか細かく分析できるので、コンテンツマーケティングには欠かせないツールです。

Google Search Console

Google Search ConsoleもGoogleの無料ツールです。キーワードやページ単位で検索順位を把握することができます。

また検索順位を下げる原因となるようなGoogleからのアラートが記載されるため、問題のあるページの改修にも役立ちます。Google Analyticsと連携することで、こちらでもSearch Consoleのデータを参照できるようになります。

Googleキーワードプランナー

GoogleキーワードプランナーもGoogleの無料ツールで、検索キーワードごとの検索ボリュームを分析できます。たとえば「SEO」と併せてどんなキーワードが使われているのか、それぞれのボリュームはどれくらいなのかを見ることにより、作成すべきコンテンツの優先順位が決められます。

コンテンツの作成前にキーワードプランナーで検索キーワードを分析し、作成後にGoogle AnalyticsとGoogle Search Consoleでコンテンツの流入実績やユーザーの行動を分析するという使い方が一般的です。

CMS

CMSはContents Management Systemの頭文字であり、コンテンツをWebサイトに追加・更新するためのシステムです。ページごとにHTMLやCSSを実装する必要がなくなり、Webサイト運用が飛躍的に効率化されます。

CMSも無料のものから有料のものまでさまざまありますが、無料のものは概ねサポートが弱く自己責任の範囲が広い傾向にあります。ある程度Webサイト運用の経験があれば無料のCMS、そうでなければ信頼できるベンダーの作成したCMSを導入するとよいでしょう。

コンテンツマーケティングで大企業に負けない発信力を手に入れよう

インターネットで情報収集することが当たり前になった現代において、ユーザーへ価値ある情報を提供することで集客や見込み客育成などを行うコンテンツマーケティングは、とても重要なマーケティング施策です。

コンテンツマーケティングを駆使すれば、中小企業であっても大企業に負けない認知度やブランド力を手にすることも夢ではありません。今回の記事でご説明した手順を参考に、ぜひできる範囲からコンテンツマーケティングを開始してはいかがでしょうか。